抗生剤を服用しているお客様への整腸剤の選択

こんにちは。東海地方のドラッグストアで薬局長として働いているちいヒロです。

今回は抗生剤服用中のお客様のOTCでの整腸剤の選択について解説していきます。

 抗生物質(抗菌薬)は体内の善玉菌である乳酸菌などが死滅し、腸内環境のバランスを崩す為下痢を起こす方がいます。ただ、ここで服用を勝手に中止してしまうと、感染症の治療ができないだけでなく、薬が効かない「耐性菌」を出現させる原因になってしまいます。

 解説の前にまず抗生剤服用中のお客様の症状について確認をする必要があります。

もしお客様が激しい腹痛を伴う血が混じる脱水症状を起こしそうなどがある場合は処方元の医師に連絡をとって指示を仰いで下さい。

 上記の状態でないお客様である場合はを下痢を防いだり、緩和する目的で「整腸剤」を提案しても良いと思います。

 病院で抗生剤が処方される際によく出る整腸剤としては抗菌薬に耐性R:Resistant)をもつ整腸剤(例:ビオフェルミンR)が処方されます。

しかし、OTCでは上記の整腸剤は売っておらず、似た名前の商品として「新ビオフェルミンS錠」(大正製薬)が販売されていますが、抗生剤に対して耐性がない為意味がありません。

なので、OTCとして提案する商品としては「ビオスリーHi錠」(アリナミン製薬株式会社)がお勧めです。

理由としてはビオスリーに含まれる「酪酸菌」は芽胞状態になると抗菌薬の存在下でも生存できる為、抗菌薬治療時の下痢に対してよい選択肢となります。

以上解説となります。

皆さんの日常業務の参考になっていただければ幸いです。

参考文献

児島悠史、他:OTC医薬品の比較と使い分け

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